PHILOSOPHY

ヴェクターグライドでは、妥協なき物創りをスローガンに、皆様のスキーライフがより豊かになる事を第一に考え、製品開発を行っています。単なるスキーという乗り物を商品として展開するのではなく、一つの作品として皆様のもとに送り届けたい、そのような思いで取り組んでいます。もちろん、スキーは雪山を滑走する為の道具ですが、そこには滑走性能以外の魅力や価値が存在すると考えています。また、末永く愛用していただけるよう耐久性のある物創りを目指しています。

例えば、ヴェクターグライドが展開するそれぞれのモデルは、どのようなシチュエーションでどのような乗り味を楽しんでいただくかといったキャラクターを設定し、そのキャラクターをイメージしたネーミングをつけます。ネーミングを受けた各モデルは、キャラクターと乗り味、グラフィックデザインがしっかりとリンクする事でモデルの存在がより際立つことになります。グラフィックデザインに関しては、長年使用しても飽きのこないシンプルなデザインにしています。ヴェクターグライドが誕生してから現在まで、各モデルは、その乗り味を大きく変える事なく熟成する形でラインナップされています。新たな乗り味を持つスキーには、新しい名前が付けられニューモデルとして追加されます。

歴史のあるブランドには、何十年も変わらずラインナップされるモデルがしっかりと存在します。新しさをアピールする為にやみくもにアウトラインを変えたり、毎シーズンニューモデルをリリースする事もありません。新しいモデルを毎シーズン発表するという事は、毎シーズン何モデルかが消えていくという事でもあります。私たちは、1台1台、思いを込めて創り、送り届ける事を大切にしています。

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ヴェクターグライドは、すべてのモデルを国内の工場で生産しています。国内に工場があることで、的確にイメージや数値を伝える事ができます。テストモデルの完成から製品の誕生までには各モデルの性能テストを行うために、そのモデルの使用目的に沿ったロケーションに出かけ、製品の完成まで必要なだけテストを繰り返します。一つのモデルが出来上がるまで十分な時間をかけ、妥協なく物創りをしています。

スキーを構成する基本的な素材である芯材は、ナチュラルウッド。樹齢何十年もの木が持つ、木質繊維による力強さとしなやかさが、山頂から繰り返し行われるターンを導き、そして絶妙にバランスされたフレックスとアーチベントによる反発がターンとターンをつなぎます。製法は、サンドウィッチ構造で行い、モデルによって異なる十数種類のナチュラルウッドと、100種類近くあるグラスファイバーを厳選し、コンマ1ミリ単位で組み合わせていきます。さらに、ステンレスまたはスチールエッジ、ソール、サイドウォール、トップシートを重ね合わせ、低温接着によって時間をかけプレスします。スキーを構成する上で最も大きなウェイトを占めるナチュラルウッドは、芯材になる前に天然乾燥で約3年熟成する事で、プレス後の曲りなどを防ぎます。1台のスキーができるまでには、スキーに使われる木、そのものが適当なサイズまで成長し、芯材になるまで数十年という年月を経てスキーへと成型されていきます。職人による慎重な物創りは、1日に5台ほどしか造る事ができず、生産効率が決して良いとは言えませんが、左右に狂いのない均一で品質の高い製品が作られています。また、工場出荷時の状態で十分なパフォーマンスが得られるようプレチューニングを施し、皆様のもとへ届けています。

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スキーを選択する際、ラディウス(回転半径)何メートル?といった会話を良く耳にしますが、トップ、センター、テールといった3ヶ所の最大幅で計算される回転半径の数値は、あくまでも角付け角という1次元でのカーヴィングターンのはなし。実際にはスキー操作において、そこに加重による沈み込み角やねじれ角なども加わるので、ラディウスの数値は、かなりアバウトな数字でしかありません。また、有効エッジや接雪面においても同じ理由で、様々なシチュエーションにおいて変化するので、アウトラインの中に存在するそれぞれの数値はあくまでもサイズスペックであり、スキーの乗り味を知るための数値ではありません。

私は、アウトラインをデザインする際、モデルが持つキャラクターにそって、その乗り味が得られるようイメージを膨らませ、長さ、幅などのサイジング、トップやテールの形状、センターベント(スキーを左右合わせたときにできる隙間)を立体的にバランスさせ、ラインを導きだします。この、立体化されたラインがスキーという形となり、スキーヤーから受ける操作や、雪面から受ける抵抗によって形状変化しながらターンを導きます。また、この形状変化にはフレックス(加重されたときの沈下量や反発力)も深く関係している事も忘れてはいけません。スキーを構成するすべての要素、素材、フレックス、目的とする乗り味などを十分に理解した上でデザインしなければなりません。

売れる為のデザインでなく、質の高いターンフィーリングを実現する為のデザイン。プロダクトデザインとは、機能性を備えた形をデザインするという事になります。また、機能に美しさを備えた機能美も物創りの大切な要素と考えています。

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